あらいくまたんです。
時間がたってしまいましたが、畳屋さんの話の続きです。
あまりにも話の通じない畳屋Aさんに心底イラっとして、畳屋Aが帰った直後に、自治会誌にずっと広告がのっている畳屋Bさんに電話をしました。
こちらは、このマンションが新築で建った当初に、全ての部屋に畳を入れた畳屋さんとのことで、このマンションの構造から、今ある畳の畳床の状態まで、よーくわかってい
ました。
畳床について
藁
●現状の畳床は「藁床」。
●もう耐用年数を超えていて、床から取り替えが必要。
●今の時代、藁はコストがかかりすぎ、もう使っていない。
●吸湿性に優れるが放湿性は悪い。
●カビ、虫の発生がどうしてもある。
インシュレーションボード
●一般的な畳屋では、今はインシュレーションボードを使用することが多い。
●インシュレーションボードとは、チップ木片(オガクズ状のチップ)を圧縮し固めたもの。感触はわら床に近く、畳床として使用しても大きな違和感はない。
●衝撃吸収力はあまりなく、吸湿性放湿性ともにあまり良くないため、現代の高気密住宅では、い草がカビる。
ココヤシ繊維
●この畳屋が独自に開発したココヤシ繊維を使ったココボードが最近のイチオシ。
●ココヤシ繊維を不織布にしたものを60枚重ねて、40mmのボードにしてある。
●衝撃吸収力が素晴らしく、柔道畳よりも柔らかく、膝をついても全く痛くない。
●ケガ防止になる。
●防音性能も素晴らしく、78dBの騒音を35dBにまで低減。
ほとんど何も聞こえないレベル。
●吸湿性、放湿性ともに優れ、夜布団から吸った湿気を2時間の換気でカラッと放出できる。
畳表のシートについて
い草
●い草の耐用年数は5年程度、そのあとは擦りきれてくる。そして埃となって舞う。
●紫外線により退色、変色する。
●カビる。虫がつく。
●イグサ特有のニオイが苦手な人がいる。(鉄くんも!)
漂白い草
●予めい草を漂白するため、退色、変色がない。
●匂いがない。
●タンパク質がなくなるため、カビない。虫がつかない。
●高い。
●耐用年数は5年程度、そのあとは擦りきれてくる。そして埃となって舞う。
和紙にフッ素コーティング
●匂いがない。
●退色、変色が少ない。
●い草より擦り切れにくいけど、鋭いものでひっかくとコーティング剥がれて傷ができる。
●コーティングがはがれるとただの和紙なのですぐにボロボロになり、塵埃もひどくなる。
●凹むと戻らないので、ココボードの柔らかさの上には不向きで、これにするならインシュレーションボードにしないといけない。
PVC織物(ReFace)
●イチオシ商品。
●PVC織物で、い草そっくりのものもあるし、色や模様のバリエーションも豊富。
●タテヨコに組み合わせると市松模様のようになり、美しい。
●耐用年数は10年以上。おそらく20年はもつし、多分もっと持つ。
●通気性あり、下のココボードの利点を最大限生かせる。
●凹んでもはなすともとに戻る。
●カビない、虫もつかない。
●い草と違い、紫外線による変色、退色がほとんどない。
●表面は耐水性あり、水拭きも可能。
●和紙にコーティングしたものと比べ、鋭いものでひっかいても傷がつかない。
●ホテルの床のシートにも採用され始めている。スーツケースの車輪でも傷つかない。
●粉塵が出ない。
おススメは
●イチオシはココボードにReFaceシート。
●畳のように1畳にヘリ付き、ヘリなしにすることもできるが、半畳ヘリなしで市松模様にするのもオススメ。半畳につき2万円。
●今の畳の廃棄処分、全てほどいてバラバラにした上で、肥料にする。100%資源として利用できる。ここにこだわっているので廃棄費用として一畳につき2500円必要。
●半畳12枚分と廃棄処分代と税あわせて税込280,500円。
●実は、廃盤になることが決まって安く仕入れられる色が一色だけある。
これだと総額4万安くできる。
考えましょう
そして、敷畳のかわりに実際に使える状態のの置き畳(床の上に置いて使う畳)半畳と、い草に一番近い色のシートと廃盤で安い色のシートを置いていってくれました。
一番左が置き畳。
これね、
●立っているところから、ガクッと膝をついても、痛くない!
●寝転がると、その下のココヤシボードが湿気を吸っていくのが実感できる。
●匂いは全くなく、すがすがしい。
●肌に直接触れるのはPVCで化学繊維だけど、ビニールみたいな感触なわけではなく、快適。
●はだしで乗っても、ぺったぺったしない。
鉄くん、ピヨ子、あらいくまたん、3人とも、即惚れ。
色も、廃盤が決まっている暗い色で、特に問題ないかな、と思いました。
家族の出した答えは
帰宅したオットセイに商品のプレゼンテーション。
実際寝転がって体感するオットセイ。
🐻「どうする?もう決めちゃう?もう一件見積もりとる?」
🦭「商品の良さは良くわかった。もう一件とってもいいけど、今回の良さを再認識して終わるだけな気がする。」
🐻「じゃあ決まり!色は?3人とも安いのでいいと思ってるけど。」
🦭「明るすぎるのは何だか安っぽいな。でも暗すぎるのも、部屋全体が暗くなっちゃう。即決しないで、色はちゃんと考えた方がいいんじゃない。」
色で悩む
というわけで、畳屋Bさんに連絡。
「この商品にすることは決定します。
色で悩みたいので、色見本を選べる全種類で貸してもらえませんか?」
畳屋Bさん、
「手のひらサイズの色見本もあるけど、大きめの方がイメージわくよね。」
と30㎝四方のサンプルボードを届けてくれました。
日中外からの光が入る時と、夜部屋の電気だけの時で、かなり色の印象も変わります。
タテとヨコでも反射する光が違う。
なかなか悩ましい。
でも、2日間かけて悩んだ末、廃盤になる安い色、光があたるとかなりキレイに反射するので、思ったより暗くないことがわかってきました。
4万の差は大きい。その色に決定です!
鉄くんの学び
鉄くんがしみじみ言いました。
🚆買い物ってさ、見に行って、これ下さいって言うものだと思ってたんだけど、違うんだね。
話を聞いたり、他と比べたり、時間をかけて選んでいいんだね。
値段だけじゃなくて、いろいろ考えることがあるんだね。
お店の人の言葉で、買う気になったり、辞めようと思ったりするんだね。
おお、そんなことを学びとってくれたなら、これだけ大騒ぎして嫌な思いをしても、1件目の畳屋Aさんも呼んで見積もりとって良かった!
いい経験をさせることができました。
続きます
次はいよいよ畳の入れ替えです!