あらいくまたんです。
《^=・(⊥)・=^》
先週ずっと忙しかったピヨ子。
数学の小テストと同日に英語ビブリオバトル予選。
それだけでも準備が大変なのに、その前日は
漢字テストと同日にブックトークの当番に当たる運の悪さ。
別の本を紹介するつもりだったみたいだけど、あらいくまたんがたまたま図書館で手に取って読んでみたら、結構よかったこの本。
鉄くんにも読ませると珍しく半日で一気に読みました。
「ピヨ子にも読んで欲しいし、何ならこれでブックトークやってもいいと思うよ。」
と渡してみたら、やっぱりこの本に決めたのでした。
ブックトーク『僕は上手にしゃべれない』
自分が普通じゃないって気づいたのは、六歳のときだった。
かよっていた小学校で開かれた学芸会での劇。王子様が出てくる話で、割りあてられた役は王子の家来。台詞は一言だけ。今でもはっきり覚えている。
『王子様、行ってらっしゃいませ』
でもそのたった一言が、僕は言えなかった。
『おはよう』が、僕は言えない。朝、目が覚めて、部屋から出てキッチンにいるお母さんの後ろ姿を見たとき、言うべき朝の挨拶が頭に浮かぶけれど、僕はそれを言えない。最初の『お』の音が出てこないんだ。無理に言えば『お、お、お、おはよう』という格好悪い、つっかえた言葉になる。
だから僕はたいてい、家族に『おはよう』を言わない。
今回私が紹介するのは、椎野直弥さんの「僕は上手にしゃべれない」という本。
主人公の柏崎悠太は、タイトルの通り、上手にしゃべれません。
クラスメイトと会話をすることが難しく、小学校では笑われたり、からかわれたりすることも日常茶飯事でした。
吃音というものを抱えているからです。
皆さんは、吃音を知っていますか?
言葉の頭を何回も言う「連発」(『ねこ』と言おうとして『ね、ね、ね、ねこ』)、
言葉の頭を伸ばして言う「延発」(ねーーこ)、
言葉が出なくってしまう「難発」(ね、……こ)
の三つの症状からなる障がいで、大人の100人に1人はいると言われています。
そんな吃音を持った悠太も、中学校に進学しました。
初日には当然、自己紹介の時間があります。名前と、出身小学校と、趣味を言うだけ。でも悠太はうまく言えません。笑われるのを恐れ、仮病を使って保健室へと逃げました。
この本は、今まで吃音から逃げてきた悠太が、吃音としっかり向き合えるようになるまでの物語です。
この本にはたくさんの魅力がありますが、そのうちの3つを紹介します。
1つ目は、吃音への理解が深まることです。
あとがきには、作者自身も吃音を抱えていることが書かれています。当事者だからこそわかるリアルな感情がとてもまっすぐな言葉で描かれていて、吃音の人が感じていることをそのまま感じることができます。
私も吃音だったことがあるので、読んでいてとても共感することができました。
2つ目は、ストーリーを楽しめることです。
皆さんの中には、「教訓めいた物語は好きじゃない」などと思う人もいると思います。でも、安心してください。
この本の舞台は中学校、つまりこの本は学園モノということになります。ということは、学園モノといえばの恋愛的な要素ももちろん入っているんです!
恋愛だけでなく、友情や家族愛など様々な要素も織り交ぜられているので、誰でもストーリーを楽しんで読むことができます。
3つ目は、読みやすい本であることです。
私はこの本を3時間ほどで読み終えました。多忙な〇〇生の皆さんでも、一週間あれば読み切ることができると思います。
また、難しい言葉や表現、描写も全く出てこないので、読書が苦手な人でもスラスラと読めておすすめです。
ストーリーが面白くて、多忙な〇〇生でも読書が苦手な人でも読みやすく、吃音という決して珍しくはない障がいについて知ることができるこの本、この機会にぜひ読んでみてはどうでしょうか。
吃音をなおす練習をしているシーンはつらい、最後のスピーチは感動
最近のピヨ子のブックトークは、無難にまとまり過ぎて、あんまり心に訴えかける感じじゃないなーというのがあらいくまたんの素直な感想。
この本、吃音当事者は、途中かなり辛くなると思います。
うまく話せないのを、練習で克服しようと頑張る。
とても見ていられない。
でも、上手に話せるように練習するのことが大事なのではなく、吃音を受け入れた上で、逃げずに自分の想いを人に伝える努力をするようになる、そこが大事で、この本の感動ポイントだと、私は思います。
ピヨ子、そこの部分をあまりにも簡潔にまとめてしまったかなーと惜しい気がします。
吃音の経験
ピヨ子は0歳でベビーサインを覚えてコミュニケーションがとれていて、しゃべり始めたらいきなり文章でペラペラ話しだしました。
まあよくしゃべること。
それが、4日間の高熱のあと、突然始まった吃音でした。
それまでスラスラだったのが、突然言葉が出ない、どもる。つまる。
本当に突然のことで、どうしたらいいのかわからない。
色々調べて発達センターに電話して事情を話すと、
「お母さんのせいじゃありませんから!」
と開口一番言われて、その場で泣きじゃくったことを覚えています。
長くなりそうなので、この話は別記事にしようと思います。