あらいくまたんです。
公立中高一貫校生によるブックトーク
中一ピヨ子の学校では
国語の授業で毎回一人ずつ前に出て
1冊の本の紹介をする課題があります。
ピヨ子出席番号が一番最後のため
最初と最後の人のジャンケンで勝って
4月に1番最初に発表する人となりました。
(ピヨ子の学校ではこういう時必ず
勝った人に決める、
という伝統があるそうです。)
ピヨ子本は大好きで
その当時はまっていた本もあったので
スラスラスラっと原稿を書き上げました。
原稿なしでやる人もいるそうです。
ピヨ子に聞いてみたら
公開してもいいと言うので
全文のせてみます。
精霊の守り人
私が紹介するのは、上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」という本です。
決して忘れることのできないとある出来事により、あったはずの幸せな未来を壊され、修羅場を踏み、いつしか闘いの場に生きるようになってしまった、女用心棒のバルサ。
この国の二人目の皇子に生まれ、いつかこの国の帝になるかもしれない運命を背負ったうえに、雲を生み雨を降らせる精霊の卵を産みつけられてしまったチャグム。
運命というものに人生を振り回されているこの二人をめぐって、物語は目まぐるしく動いていきます。
ことの始まりは、宮に戻る皇族(おうぞく)一行の行列が橋をわたっているときに、皇子の乗っている牛車を引いていた牛が暴れ出したことでした。
チャグムは川に落ち、偶然騒ぎに遭遇したバルサは、急流にとびこんで皇子を助けます。
その後宮に招かれたバルサは、皇子の母である二ノ妃から、チャグムが何かにとりつかれていて、それを嫌った帝が、事故にみせかけてチャグムを殺そうとしている、という話を聞かされます。
用心棒としてチャグムを守ってほしい、という妃の願いを受けたバルサは、チャグムとともに、数々の冒険が待っている旅に乗り出すのです。
この物語は、たんに冒険物語として面白いだけではありません。
いやおうなしに運命にのまれ、人生を大きく変えられてしまったバルサの深い悲しみや憎しみ、皇子になどなりたくない、バルサと一緒に庶民の間で暮らしたいという、チャグムの儚くも切実な願いは、読んでいるうちに、私たちの心に、張り裂けるような感情を沸き立たせます。
と同時に、決して逆らうことのできない運命に巻き込まれながらも、願いをかなえようとするバルサやチャグムの姿は、困っていることがあるときに、私たちの背中を押してくれます。
生々しく描かれたその生きざまが、どうにもならないことって誰にでもあるんだよ、それでもできることをして前に進んでいこうよ、と呼びかけてくれるのです。
そんな素晴らしい物語である「精霊の守り人」ですが、「守り人シリーズ」というシリーズになっているのをご存知ですか?
外伝や短編集をあわせると、その数なんと十三巻!
その壮大さには呆れるほどで、このスピーチで何を紹介しようか考えるのにも困るほど。
それぞれ別々に読んでも十分楽しめるのも魅力です。
数々の冒険の中で、困難にぶつかっても前に進むことの大切さを教えてくれるこの物語は、きっとみなさんの一生の宝物になるでしょう。
ページをめくって、この素晴らしい世界にぜひ飛び込んでみてください!
発表後の反応は
なにせ入学直後で
まだお互いの名前も覚えていない段階での
初めての発表です。
発表が終わった瞬間、だれかが
「はぁ、ハードル上げられた~」
と呟いたそうです。
別の子は当日夜できたばかりの
クラスLINEグループから
個人チャットで
「ブックトークすごく良かった」
と送ってきてくれていました。
上には上がいる
トップバッターをきった
ピヨ子ですが
クラス40人の中には
上手い子はまだまだいて
完全に負けた~!という発表も
続々出てくるそうです。
ブックトークの後はビブリオバトル
ブックトークも全員が2周したところで、
次はビブリオバトルが始まりました。
これは5人グループ内で本の紹介をして
一番良かった人に投票し、それぞれの
グループで1位の人がクラス全体の前で
発表し、決勝戦を行う、というものです。
学年末までに何回か繰り返し、
最後は学年1位を決める
ビブリオバトルがあるらしいです。
3年生になるとそれが
英語の本を英語で紹介する
英語ビブリオバトルになるそうです。
どこかで親が見られる発表ないかな~。
見たいな~。