あらいくまたんです。
映画を見ると家でも必ずパニックになって最後まで見られなかった鉄くんが、映画館で映画を楽しめるようになるまでの記録です。今日はその考察をしてみたいと思います。
映画苦手を克服した大きな柱とは
当時5歳だった鉄くんは映画を見るとき、感情に種類があることとそれぞれの振舞い方がわからなくてパニックになっていました。
言葉にする前の感情は全て、わきあがる「得体の知れない不安なもの」だった。
感情には
「悲しい」「怖い」「さびしい」「残念」「焦り」「不安」「うれしい」「楽しい」「おかしい」「感動」
などと種類があることを教えた。
それぞれの気持ちにどう対処すればいいか教えた。
いろんな映画を見せて、それぞれの場面で一様にパニックになっていた鉄くんに、ひとつひとつの感情の種類を言語化して、
「がんばれーって応援してあげよう。」
見通しを教えてあげた。
「今はピンチだけど、もうすぐ味方がくるよ。」
パニックにならずに映画がみられるようになった。
のでした。
映画の前に日常でも発狂していた
映画に限らず、今まで普段の会話で、自分の言いたい事がちゃんと説明できないから、してほしいことが通じなくて発狂していました。
人に言われたことも細かいところまで理解できなくて、「わからない!」と発狂していた部分がかなりあったのでした。
言いたい事が伝わらない、言われていることがわからない、自分に沸き上がったもどかしさという感情もわからない。だから発狂する。
これって全て、語彙力のなさからきていたと、今では思います。
現在中1のピヨ子は語彙力モンスターに育っていて、同じように育ててきたはずなので、家での会話の量や質はそれなりにあったはずでした。
何で鉄くんだけ言葉が育たなかったんだろう、と悩みましたが、鉄くんは赤ちゃんの頃から、「目」を見てくれない赤ちゃんでした。
「人の話は目で聞く」ことで言葉も吸収する
こういう話を繰り返し聞くことで、ピヨ子と鉄くんの言葉の吸収量の違いの理由をはっきり認識しました。
ピヨ子と鉄くんとの決定的な違いは、人の話を目で聞けなかったことですね。
語彙力を急成長させてくれた三語短文と音読
さらに、9月21日に、『三語短文』が始まりました。
毎日3つの単語でお題が出され、その3つを使って30字以内(学年によって制限字数もお題も違う)の短文を考える毎日課題が追加されました。
ここでもすぐ、「わからない!!」と毎日のように発狂していました。
でも、ひとつひとつに丁寧に向き合って毎日続けるうち、発狂しなくてもできるようになってきました。
音読や三語短文に取り組むことで、使える語彙が増えてきて、普段の会話でも通じないことが減ってきました。
言いたいことが通じるようになってくると、当然発狂する頻度もへってきました。
「できない」「わからない」と発狂していた算数や国語の問題も、書かれている文章そのものを、語彙力のなさで理解できていなかった部分が9割だった、と今では思えます。
この一年間の急成長と映画苦手の完全克服は、語彙力の急成長のおかげ
鉄くんの発狂と暴力。
毎日「うっせー!」との闘い。
ピヨ子から表情が消えた闇の期間。
真島先生にもラインのやり取りで相談したり、オンライン面談してもらったりしていました。
状況を打開するべく、あらいくまたんはフルタイムの仕事を辞め、鉄くんと向き合う日々。
そんな中で「えいやッ!!」と行った対面授業でした。
仕事をやめた後1ヶ月で、鉄くんとの関係にかなりの改善がありましたが、この対面授業を境に、勉強面でも見違えるような急成長がありました。
ペナテストに連続合格できるようになってきたのです。
ペナテストに合格するために、今まで拒否が強くて出来ていなかった「間違えた問題の直し」に、当たり前に取り組むようになったのです。
対面授業の翌週、オンライン参加の授業中に、真島先生から「鉄くん、2カ月前とは別人だね」と声をかけていただき、「はい。」と答えた鉄くんは、本当に別人でした。
●人の話を目で聞けるようになってきたこと
●語彙力が少しずつ蓄積していったこと
●映画をパニックにならずに見られるためのとりくみが実を結んだこと
これらの相乗効果で、
この一年の鉄くんの急成長と、映画苦手克服につながったのだと、今では思っています。
真島先生、ボネ子先生、ありがとうございました。
これからもついていきます。
【映画苦手の克服】シリーズはこれで終了です。
長い長い話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。